Whitestone Galleryが香港に新スペースをオープン、オープニングは上前智祐展

2015年05月29日 16:53 カテゴリ:最新のニュース

 

 

「具体」など戦後美術をアジアで発信へ

 

 

東京に拠点を置く株式会社ホワイトストーンが16日、香港に海外初となるギャラリースペース「Whitestone Gallery Hong Kong」をオープンさせた。同社は銀座でWhitestone Gallery を、また軽井沢で軽井沢ニューアートミュージアムを運営するなどその活動は多岐にわたるが、今回の香港進出にはどのような狙いがあるのか。同社会長の白石幸生氏に話を聞いた。

 

初の海外進出先として香港を選んだ理由について白石氏は「世界各地でアートフェアに参加する中で、アジアの中心は香港だと実感した。美術市場としてニューヨークに次いで2番目に大きく、日本の戦後美術やアジアの美術を発信するには最適の場所」と語る。同社はこれまで白髪一雄などの“具体作家”をはじめ、草間彌生など現在世界的に注目が高まる戦後日本美術の作家を大々的に取り上げ、発信してきた経緯がある。香港でもその人気は高く、「レセプションでは大きな反響を得た」という。当初はニューヨークへの出店も考えたというが、「やはり香港が先だと思った。ベトナムやマレーシア、シンガポールなどもあるが、アジアでの中心は香港。それにまだまだ伸びしろがある」と香港が秘めている可能性に言及した。

 

新ギャラリーの皮切りとなったのは具体美術協会創立メンバーである上前智祐(1920年生まれ)の個展「CHIYU UEMAE A SOLITARY PATH」だ。白髪一雄や吉原治良に比べると知名度が低い作家だが、世界的に見ればロサンゼルス現代美術館の「DESTROY THE PICTURE PAINTING THE VOID, 1949-1962」(2012年)やグッゲンハイム美術館の「GUTAI: Splendid Playground」(2013年)にも参加するなど、その評価は高い。「ニューヨークのアーモリーショーで紹介した時は数時間で完売した」という実績もあるが、「作家が存命のうちに紹介したかった」のが大きな理由と話す。

 

今後については当面、具体メンバーを中心に個展を開催し、その魅力をアジア全体へアピールしていくとともに、「現地若手作家の発掘」についてもその可能性を示唆した。上前智祐展は6月12日まで開催。

 

 

 

 

 

 

【関連リンク】Whitestone Gallery

 

 


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