“鎌倉館”最後の展覧会開催 「鎌倉からはじまった。1951-2016」

2015年03月02日 09:29 カテゴリ:最新のニュース

 

60余年の歴史に幕

 

神奈川県立近代美術館 鎌倉 外観 1990年代

神奈川県立近代美術館 鎌倉 外観 1990年代

 

1951年11月17日に日本初の公立近代美術館として鎌倉・鶴岡八幡宮境内に誕生した神奈川県立近代美術館 鎌倉(鎌倉館)が2016年1月末をもって借地契約満了に伴い閉館。その最後を飾る展覧会「鎌倉からはじまった。1951-2016」が2015年4月から2016年1月にかけ3期に分けて開催される。(2016年度以降は、葉山館と鎌倉別館の二館体制で美術館活動を続ける。)

 

神奈川県立近代美術館は敗戦間もない占領下の日本において、新たな文化の発信地として開館。1966年には新館を増築、84年に鎌倉別館、2003年に葉山館を開設し、60余年にわたり多くの人々に優れた美術を紹介してきた。また同館の設計はル・コルビュジエに師事した坂倉準三であり、モダニズム建築の傑作としても知られている。

 

(左)斎藤義重《鬼》1957年 油彩、合板 神奈川県立近代美術館蔵 (右)山口勝弘《ヴィトリーヌ No.37》1953年 油彩、モールガラス、ガラス、合板 神奈川県立近代美術館蔵

(左)斎藤義重《鬼》1957年 油彩、合板 神奈川県立近代美術館蔵
(右)山口勝弘《ヴィトリーヌ No.37》1953年 油彩、モールガラス、ガラス、合板 神奈川県立近代美術館蔵

 

今展の第1弾となる「PART1: 1985-2016 近代美術館のこれから」では1985年から2015年までに鎌倉館で開催した展覧会を紹介。この時代はテオドール・ジェリコー、オットー・ディックス、ジョルジョ・モランディなど海外作家の大規模な展覧会と並行して、日本の近代美術の回顧展や独自の視点によるテーマ展などを積極的に開催した時代だった。活躍中の作家を取り上げた「今日の作家たち」シリーズは1988年から2007年までに11回の開催を数える。さらに日本の近代美術の海外への発信が活発になったのもこの時期の特徴であり、海外の美術館や研究者との共同企画による「ジョン・ラスキンと近代日本」、「モボ・モガ 1910-1935」展が開催された。今展では時代とともに成長し、変化を遂げてきた同館の30年を作品と資料・写真によって振り返りつつ、これからを見据える。

 

また今後は7月4日~10月4日にかけて「PART2: 1966-1984 発信する近代美術館」が、10月17日~16年1月31日にかけて「PART3: 1951-1965 「鎌倉近代美術館」誕生」が開催される。

 

朝井閑右衛門《電線風景》1960年 油彩、カンヴァス 神奈川県立近代美術館蔵

朝井閑右衛門《電線風景》1960年 油彩、カンヴァス 神奈川県立近代美術館蔵

 

【会期】2015年4月11日(土)~6月21日(日)

【会場】神奈川県立近代美術館 鎌倉(神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53) TEL 0467-22-5000

【休館】月曜(5月4日は開館)

【開館】9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)

【料金】一般1,000円 20歳未満と学生850円 65歳以上500円 高校生100円 中学生以下無料

【関連リンク】神奈川県立近代美術館 

 


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