【訃報】榮久庵憲司氏

2015年02月09日 10:48 カテゴリ:最新のニュース

 

しょうゆ卓上ビンから新幹線まで―インダストリアル・デザインの第一人者 

 

インダストリアル・デザインにおけるパイオニアとして知られる榮久庵憲司氏(えくあん・けんじ)が8日、東京都内の病院で洞不全症候群のため逝去した。享年85歳。

 

栄久庵氏は1929年東京生まれ。55年に東京藝術大学を卒業後、57年にGKインダストリアルデザイン研究所を設立し、所長に就任。67年には日本万国博覧会会場計画委員会に参加し、「サイン計画」「ストリート・ファニチャ計画」「モノレール計画」などを担当した。92年に藍綬褒章、97年にフランスより芸術文化勲章を受賞。また2014年にはデザイン界のノーベル賞ともいわれるコンパッソ・ドーロ(黄金のコンパス賞)国際功労賞を受賞するなど国際的な評価も高い、日本を代表するプロダクト・デザイナーの1人だった。

 

その作品は日本の食卓に欠かせない存在となった「しょうゆ卓上びん」(1961年)から 鉄道、バイクに至るまで幅広く、戦後の日本デザイン界をけん引する存在だった。2013年には「榮久庵憲司とGKの世界 鳳が翔く」(2013年7月6日~9月1日、世田谷美術館)を開催、また昨年は自身が青春時代を過ごした広島で「広島が生んだデザイン界の巨匠 榮久庵憲司の世界展」(2014年11月18日~12月23、広島県立美術館)を開催したばかりだった。

 


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