【ニュース】日動画廊の新春名品展に岸田劉生の「麗子像」

2015年01月08日 10:39 カテゴリ:最新のニュース

 

岸田劉生「麗子 毛糸肩掛けして人形を持つ肖像」 1919年 53.0×45.5cm 油彩

 

本年開廊88周年となる日動画廊が、年初に開催する恒例の「新春名品展」の目玉として、岸田劉生の「麗子像」を出品する。

 

1918年頃から急逝する1929年までの10年間に、劉生が娘の麗子をモデルに手掛けた一連のシリーズは、日本の近代絵画を代表する作品群として高い評価を受け、国内各地の主要な美術館に収蔵されている。東京国立博物館の「麗子微笑(青果持テル)」(1921年作)は、国の重要文化財に指定されており、また、2000年にシンワアートオークションに「毛糸肩掛せる麗子肖像」(20年作)が出品された際は、ウッドワン美術館が3億6千万円で落札して大きな話題となった。

 

 

長谷川徳七社長と「麗子 毛糸肩掛けして人形を持つ肖像」

日動画廊では、1971年に日本で初となる鑑定会「劉生の会」を立ち上げ、劉生作品の鑑定を行ってきた。実は、今回の「麗子 毛糸肩掛けして人形を持つ肖像」(1919年作)も、1984年に著名なコレクターの依頼を受けて劉生の会で鑑定したもの。長谷川徳七社長は「30年振りに再会した、思い入れのある逸品です。再び世に出るならば、ぜひうちで扱いたいと思っていました」と話す。「私にとって麗子像はとても重要な作品です。笠間日動美術館の140点の岸田劉生コレクションも、1点の麗子像から始まりました。本作品は、数ある麗子像の中でも質が良く、10号というサイズも稀少です。油彩のものはほとんどが美術館に入っており、一般に流通するのは、おそらくこれが最後でしょう。ぜひ多くの方にご覧いただきたい」。

 

今展では、本作品と劉生による日本画の最大の詩画軸2点(笠間日動美術館蔵)をあわせて紹介。加えて、梅原龍三郎や中川一政、林武ら近代の巨匠に、同画廊が主催するコンクール「昭和会」出身の現存作家による優品を一堂に展示し、記念すべき1年の始まりを華々しく祝う。

 

新春名品展 〜日動画廊88年を彩った作家たち〜

【会期】2015年1月8日(木)~1月27日(火)

【会場】日動画廊(東京都中央区銀座5-3-16) TEL 03-3571-2553

【休廊】日曜

【営業時間】平日:10時〜19時、土・祝:11時〜18時

【関連リンク】日動画廊

 


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