【ニュース】トーマス・ルフ、ギャラリー小柳とTOLOTで個展同時開催

2014年09月22日 12:00 カテゴリ:最新のニュース

 

(左)Thomas Ruff, RGB_ma.r.s. 03, 2014(ギャラリー小柳)
(右)Thomas Ruff, r.phg.11_Ⅰ, 2014(TOLOT)

 

ドイツ現代写真を代表するトーマス・ルフがギャラリー小柳(東京・銀座)とTOLOT/heuristic SHINONOME(東京・東雲)で個展を同時開催する。

 

ルフは1958 年、ドイツ南部のツェル・アム・ハルメルバッハ生まれ。デュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に写真を学んだルフは、写真という媒体がもつ伝統的な概念を再検証しながら、シリーズごとにまったく異なる手法を展開してきた。現在もデュッセルドルフを拠点に活動を続けている。今回の同時個展ではギャラリー小柳で火星をモチーフにしたシリーズ「ma.r.s.」の新作と、ビンテージのネガフィルムを素材とした新シリーズ「negatives」を、TOLOT/heuristic SHINONOMEでは、フォトグラムを発展させたシリーズ「photograms」の新作を発表する。

 

■ma.r.s. and negatives

2010 年より開始したシリーズ「ma.r.s.」ではNASA の火星探査機によって撮影された火星表面の白黒の高解像度デジタル画像を使用。探査機が90度の真上から撮影した画像の構図を変換、着色加工を施すことにより、イメージに圧倒的な臨場感を与えている。今回は初めての試みとして、赤外線カメラで撮影されたもともと色をもつ画像から制作した新作を発表。また新シリーズ「negatives」において、ルフはかねてから注目していた写真のネガとポジの関係性を、自身がコレクションしていたビンテージ写真のネガフィルムを用いて検証。デジタル処理によりネガポジ反転し、モノクロから淡い青の色調に変換された写真には、光と影の関係の逆転のみならず、思いも寄らぬ構図の転換がもたらされ、図像は彫刻的とも言える不思議な実在感を醸し出している。今回はインドのマハラジャのイメージを中心に、静物、肖像、バレエなど様々なジャンルの作品を展示する。

 

■photograms

1990年代からデジタル技術を駆使して次々に新たなシリーズを生み出していったルフは、フォトグラムの技法を高度にデジタル化することにより、本来モノクロで修正のできないフォトグラムによるイメージを自由自在に操作し、躍動感あふれる構図と色相を伝統的な写真技法に与えた新たなシリーズ「photograms」を完成させた。TOLOT ではその巨大な空間を活かして、同シリーズの大判4点を核に展示を構成する。

 

【会期】10月4日(土)~11月15日(土)

【会場】ギャラリー小柳(東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル8階) TEL 03-3561-1896

            TOLOT/heuristic SHINONOME(東京都江東区東雲2-9-13 2階)

【開廊】11:00~19:00

【休廊】日・月曜・祝日

【関連リンク】ギャラリー小柳TOLOT/heuristic SHINONOME

 

■オープニング・レセプション 

TOLOT/heuristic SHINONOME:10月4日(土) 17:00~19:00 ※作家来廊

ギャラリー小柳:10月4日(土) 18:00~20:00 ※作家来廊

 


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