【ニュース】「具体」の中心作家、米国で初の回顧展開催

2014年09月12日 18:24 カテゴリ:最新のニュース

 

白髪一雄・元永定正がダラスへ

 

(左)白髪一雄《天捷星没羽箭》1960年 ラチョフスキー・コレクション
(右)元永定正《作品》1962年 兵庫県立美術館(山村コレクション)

 

国際交流基金がダラス美術館(米国テキサス州)との共催で具体美術協会(通称「具体」)の代表作家2人の回顧展「アクションと未知の間で―白髪一雄と元永定正」を開催すると発表した。キュレーターは河﨑晃一氏(1952年生まれ、甲南女子大学教授)とガブリエル・リッター氏(1980年生まれ、ダラス美術館アシスタント・キュレーター)。

 

(左)白髪一雄《作品》1954年頃 東京都現代美術館蔵
(右)白髪一雄《赤い丸太》1955年(1985年再制作) 兵庫県立美術館(山村コレクション)

 

近年、アメリカにおいては戦後の日本美術への注目が高まっており、昨年2月にはソロモン・R・グッゲンハイム美術館(ニューヨーク市)で大規模な「具体」展が開催されるなど熱い視線が向けられている。今展はその中心的メンバーであった白髪一雄(1924~2008)と元永定正(1922~2011)の画業を「具体」の活動のみならず、創作初期から晩年にいたる約60点の作品で振り返るもの。両者の身体性と造形性のオリジナリティを紹介しながら、戦後の日本美術における先駆的な仕事を回顧、検証する。

 

(左)元永定正《作品(釘)》1955年 個人蔵
(右)元永定正《寶がある》1954年頃 個人蔵(三重県立美術館寄託)

 

開催にあたってリッター氏は「今回の展覧会は2人のアーティストを具体のメンバーとしてではなく、何よりも彼ら自身のものとして見直すことを目指している」とし、展覧会が「絵画の定義を革新したアーティストの比類ない道のりを記念し、讃えるもの」だと語っている。展覧会は2015年2月8日(日)~7月19日(日)の会期で開催される。

 

記者会見では2人のキュレーターが登壇。
画像提供:国際交流基金

 


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