【海外】 第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展・日本館展示、8月29日開幕

2012年08月15日 15:57 カテゴリ:最新のニュース

 

第13回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展日本館「ここに、建築は、可能か」展示プラン、2012

イタリア・ヴェネチアでまもなく開幕する世界最大級の建築展、「第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」。その国別部門に、今回も日本が参加する。

 

日本館のコミッショナーは建築家の伊東豊雄が務める。展示のコンセプトは「ここに、建築は、可能か」だ。

 

今回の展示の背景には、2011年3月の東日本大震災がある。伊東は震災直後から、被災地を支援する「みんなの家をつくろう」プロジェクトを提案してきた。このプロジェクトは、津波で家を失った人々が集い、語り合い、憩うことができる場を提供したいという思いから始まった試みで、被災地の仮設住宅地内に共有スペースとなる小屋を建てている。資金は、国内外の企業や団体、個人の寄付を募り、資材はメーカーなどの協賛を受けている。

 

「みんなの家」プロジェクトは、仮設住宅で生活する人々と、設計者、施工者、ボランティアの学生などの作り手が、協力してつくりあげることをモットーとしている。このような手続きを重視する背景には、「個」のオリジナリティを尊重してきた近代以降見失われてきた建築の原点―「建築は誰のために、そして何のためにつくるのか」を、あらためて問いかけたいという伊東の思いがこめられているという。

 

陸前高田「みんなの家」スタディ模型

 

今回の日本館展示では、岩手県陸前高田市に現在建設中の「みんなの家」プロジェクトの全容を紹介する。陸前高田のプロジェクトは、伊東がプロデュースし、若手建築家の乾久美子、藤本壮介、平田晃久、同地出身の写真家・畠山直哉が共同作業で進めた。「建築は誰のために、そして何のためにつくるのか」―被災地支援から出発したこの問いかけが、世界の舞台で人々にどう響くのか、注目したい(文中敬称略)。

 

 

 

 

第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展

【会期】 2012年8月29日(水)~11月25日(日)

【会場】 国別参加展:ジャルディーニ地区(Giardini di Castello)ほか

企画展:アルセナーレ地区(Arsenale)ほか

【開場時間】 10:00~18:00 【休場】 月曜日(ただし9月3日、11月19日は開場)

【総合ディレクター】 デイヴィッド・チッパーフィールド 【総合テーマ】「Common Ground」

 

 


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