【レポート】 ポコラート全国公募展 vol.4 

2014年01月24日 17:00 カテゴリ:最新のニュース

 

審査員トーク「ポコラート会議」の様子

審査員トーク「ポコラート会議」の様子

 

障がいのある人、ない人、アーティストによる自由な表現の場を生み出すべく2011年よりスタートした「ポコラート全国公募展」(主催=千代田区、3331 Arts Chiyoda) 。

 

今回は作品部門で1193点の応募を集め、その中から選出された252点が2013年11月24日~12月25日にかけ展示された。会期中に行われたトーク「ポコラート会議」では審査員特別賞や千代田区長賞などの選出のほか、「ワークショップの力を考える」「ポコラートのこれからを考える」をテーマに審査員のO JUN(画家、東京藝術大学准教授)、中村政人(アーティスト、東京藝術大学准教授、アーツ千代田3331統括ディレクター)、保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員)、茂木健一郎(脳科学者)の各氏に大月ヒロ子(IDEA,INC.代表取締役)、藤浩志(美術家、十和田市現代美術館副館長)の両氏を加えた議論が行われた。

 

登壇者からは「気づきの可能性をこれだけ多く含む展覧会は他にない。美術館での開催や巡回展にも期待したい」(O JUN)、「ポコラートが障がい者アートであるという文脈に囚われないことが重要。常に健常者とのボーダーを感じさせない状態である事が理想」(茂木)、「ポコラートらしさというフレームを作ってしまうのではなく、異物感がある作品も取り込んで、混在する状態であってほしい」(大月)等の声が挙がり、今展の継続と更なる発展の可能性が語られた。

 

なお受賞作品を中心に展示する「ポコラート全国公募展vol.4受賞者展」は今年4月に開催される予定となっている。

 

※「ポコラート(POCORART)」とは、「Place of“Core + Relation Art”」を略した造語であり、「障がいのある人・ない人・アーティス トが、核心の部分で相互に影響し合う場」を創造するという理念を示す名称。

 

◎各賞受賞者・受賞作

O JUN賞=田島絵里「まるちゃん」

保坂健二朗賞=中道一輝「ハカリ」

茂木健一郎賞=齋藤裕一「ドラえもん」

中村政人賞=上田海登「オ・タ・カ・ラ」

千代田区長賞=国井勇「虹トラック」

オーディエンス賞=SEIYA「無題」

3331ワークショップ賞=ゆにここ「ふわふわ星 ~あそぶ・つくる・おくる~」

 

 

(左)O JUN賞=田島絵里「まるちゃん」、(右)保坂健二朗賞=中道一輝「ハカリ」

 

(左)茂木健一郎賞=齋藤裕一「ドラえもん」、(右)中村政人賞=上田海登「オ・タ・カ・ラ」

 

(左)千代田区長賞=国井勇「虹トラック」、(右)オーディエンス賞=SEIYA「無題」

 

【関連リンク】 3331 Arts Chiyoda

 「新美術新聞」2014年2月1日号(第1334号)2面より

 


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