【展覧会】 Artist Group ―風―、記者会見を開催

2012年06月29日 17:39 カテゴリ:最新のニュース

 

昨秋、新人発掘を趣旨とする新たな公募展立上げを表明した中島千波・中野嘉之・畠中光享3氏によるArtist Group ―風―。今年10月下旬の第1回展覧会開催を前に広くアピールしようと、会場となる東京都美術館で5月31日、3氏が報道陣を前に記者会見し、グループ結成の経緯やその公募趣旨などを詳しく述べた。応募資格「満45歳以下」、作品規定「横7m×縦2.4mを限度とする平面作品」、「入選のみで賞なし」などの新宣言が熱く語られた。

 

冒頭、中島氏が発言、「我々は今までグループ展として、後に推薦制で人数を増やし展覧会を開催してきましたが、つねづね若手新人を発掘、輩出したいと思い公募展を考えていました。このたび、3人だけでも興すことになりました。これまで会派を超えた同世代の画家達の『横の会』で10回、後に推薦制も取り入れ、素材の区別ない『目展』を一昨年まで15回開きました。そして全く新しく公募展“風”を立ち上げました。5年の期限、結果がよければ続く形です。会場のBギャラリーは303㎡、3人が大作を出すと自ずと壁面は7人くらいの展示スペースとなります。多くの人の参加を望むのですが我々も大作で一緒に勝負したい。新人コンクールは年齢35歳が一般的に目安とされますが、われわれは45歳までの作家を対象とします」とし、グループ宣言文を説明した。

 

中野氏は「私共は30代で『横の会』を開きました。全員が同じ意志で作品を並べた瞬間の緊張感が未だに私の根底にあります。若い世代の人が続いて新しくまた創っていく、と思っていたのですが、そうなっていない。相変わらず公募団体に所属し、遠慮して思い切れないのか、出てきていない。当初の意識、思いを若手と共有し展示する場があれば良い。今回、大学で広報すると反響があります。今の時代は何でもありですが、基本は伝統的な絵画志向があるべき。現在は分かれ道の重要な岐路に来ているのではないか。美術館が会場になりますが、会期は1週間と短いので、実績を積み上げていくことが大事だと思う」と語った。

 

畠中氏は「私は一般公募展に出したことがありません。今まではグループ展か個展でした。でも我々も皆65歳を超えました。個展を開くにもお金がかかり大変で、大作を発表する場も意外とないのです。従来からの公募展だと出せることで安心してしまう。大作を出したくとも我慢するしかない、そういう思いは皆さん同じでしょう。その受け所を自分たちがわずかな期間でも作れたならばいいのではないか、というのが本当の気持ちです」と述べた。

 

その後の質疑応答では、素材ジャンルについてはあらためて問わない、7mの壁面の範囲内であれば、複数点数を展示することは可、とされた。

 

また、特典として入選者は年内に髙島屋でグループ小品展に出品する機会が与えられる。そして、多くて10人規模の新規公募展となる見込みだが、応募作品が審査の結果、レベルに達していなければ、出品者数はより少数の規模になることも予想される、という。

 

同会期、同会場では、創画会展も開かれる。新たな方向性を打ち出した公募グループ“風”、その動向が注目されよう。

 

★「Artsit Group ―風―」展
【会期】 2012年10月20日(土)~28日(日)
【会場】 東京都美術館地下3階ギャラリーB
【作品募集期間】 2012年9月1日(土)~14日(金)
【関連リンク】 www.agkaze.jp

 

「新美術新聞」2012年6月21日号(第1283号)3面より

 


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