【受賞】 第24回國華賞に肥田路美氏と塚本麿充氏

2012年11月30日 11:27 カテゴリ:最新のニュース

 

日本および東洋の美術に関する優れた研究に対して毎年贈られる國華賞の第24回(2012年度)受賞者に肥田路美・早稲田大学文学学術院教授と塚本麿充・東京国立博物館学芸研究部研究員の2氏が決まり、主催者である國華社、朝日新聞社から発表された。贈呈式は10月24日、朝日新聞社新館レセプションルームで行われた。

 

同賞選衡委員会(委員長=河合正朝・千葉市美術館館長)によると、委員12名が賞の対象となる著作、論文および展覧会図録の國華賞候補作の選衡を行った。推薦された今年度の候補は、単行図書13点、論文5点、図録4点の計22点。選衡基準として内容の独創性、新事実の提示や解明、基礎研究の充実、研究の総合と新たな体系化などが問われた。慎重な検討の結果、6点に絞られ、さらに真摯な討議を重ねたすえ、肥田路美氏『初唐仏教美術の研究』(中央公論美術出版)と塚本麿充氏『皇帝の文物と北宋初期の開封』(『美術研究』所載、東京文化財研究所)の2点が選出された。

 

塚本論文は、膨大な文献を駆使しながら、汎アジア的な大きな視野に立って北宋初期の皇権による仏教文物の開封への収集状況を明らかにした力作であり、同時に新知見の提示や論旨の説得力が高く評価された。

 

また肥田論文は仏教美術を「中華」と「インド」をキーワードとして解析し、後の時代の規範となる盛唐期の美術を初唐期の美術がいかに成立させていくかを追った大著である、と評価された。

 

なお、展覧会図録に関しては推薦された4点の中から2点が相応の評価を与え得るものとして挙げられたが、委員一致の支持を得ることは出来ず、受賞作を出すには至らなかった、とされた。

 

「新美術新聞」2012年11月21日号(第1297号)3面より

 

 


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