【銀座】 神話のことば ブラジル現代写真展

2012年11月28日 16:42 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

シア・デ・フォト 《太陽の上に/太陽について》 2012年 Courtesy of Galeria Vermelho, São Paulo

 

ラテンアメリカ最大の面積と人口を擁し、世界各地から移民を受け入れることによって類をみない多人種・多民族社会を形成するブラジルは世界最大の日系人居住地として日本との関わりも非常に深い。ダイナミックに変容する政治や社会状況を経てきた歴史的背景により、この国では多種多様な信仰、文化が調和的に混じり合い、そのような環境から生まれる音楽、美術、建築、デザイン、映画などの表現は現在、世界中から高い評価を受けている。

 

 

ルイス・ブラガ 《パチュリ乳母》 1986年 Courtesy of Galeria Leme

資生堂初代社長の福原信三が写真家として活動をしていたこともあり、開設当初より多くの写真展を開催してきた資生堂ギャラリー。特に近年では、グローバル化が進み文化が均質化しつつある現代において、写真・映像表現を通し見えてくるそれぞれの国、地域が持つ固有の文化的な伝統や地域性を紹介する写真展を数々開催してきた。本展はその一環として、新興経済国BRICsの一角を担い、多方面から大きな注目を集めるブラジルという国を、同国を拠点に活躍する写真家たちの作品を通じて紹介する。

 

 

クラウディア・アンデュジャール 《無題 「目に見えないもの」シリーズより》 1976年 Courtesy of Galeria Vermelho, São Paulo

出品作家は、クラウディア・アンデュジャール、ルイス・ブラガ、ホドリゴ・ブラガ、ジョアン・カスティーリョ、エウスタキオ・ネヴェス、ケンジ・オオタの6名 と気鋭の写真家集団シア・デ・フォト。ブラジルの生活、風習、風景、気候、動植物などを被写体 としつつ、現代社会において見過ごされがちな神聖なものを写し出す彼らの作品からは、ブラジル独特の美意識や自然観、宗教観、死生観、そしてブラジルの文化や生活と深く結びつく神話性/寓話性が見て取れるだろう。

 

 

現代ブラジル写真界を代表する作家たちによるブラジルに息づく「神話」の世界。遠いようで近く、近いようで遠い彼の国の姿を知るこの機会。ぜひ足を運んでほしい。

 

 

【会期】 2012年10月27日(土)~12月23日(日)

【会場】 資生堂ギャラリー(東京都中央区銀座8‐8‐3 東京銀座資生堂ビル地下1階)

☎03‐3572‐3901

【休館】 月曜

【開館時間】 11:00~19:00 (日曜・祝日は11:00~18:00)

【料金】 無料

【関連リンク】 資生堂ギャラリー

 

 


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