【横浜】 はじまりは国芳 ―江戸スピリットのゆくえ

2012年10月31日 13:04 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

歌川国芳(一勇斎)「宮本武蔵の鯨退治」、弘化4年頃(C.1847)、大判三枚続、多色木版  ※後期のみの展示

 

横浜美術館の記念すべき100本目の企画展として、11月3日より開幕する「はじまりは国芳 ―江戸スピリットのゆくえ」。本展は、近年、ますますその評価を高めている浮世絵師・歌川国芳(1797 ~1861)の系脈をたどり、その近代感覚にあふれた斬新な造形性が、一門や画系にどのように受け継がれ、どのような展開を見せていったかを日本画、油彩画、水彩画、版画、刊本などの作品、資料を通じて探ろうとするものだ。

 

 

歌川国芳(一勇斎)「近江の国の勇婦於兼」 天保2-3年頃(C.1831-32)、横大判、多色木版  ※前期のみの展示

雄壮奇抜な武者絵をはじめとして、美人画、役者絵、機知とユーモアに富む戯画や諷刺画、洋風表現を取り入れた風景表現など幅広い作画領域と画風によって大衆の喝采を集め、江戸後期の浮世絵界を牽引した国芳。その国芳の門下からは、歌川芳員、落合芳幾、歌川芳虎ら浮世絵師のほか、月岡芳年、河鍋暁斎、五姓田芳柳など多彩な顔ぶれが輩出されている。とりわけ、月岡芳年の門下には、歴史画の水野年方、物語絵・風俗画の鏑木清方、さらには清方の弟子の伊東深水や寺島紫明などが連なり、日本画の一大画系を形成している。

 

 

本展では、国芳をはじまりとして幅広く展開した画家たちの系脈を全4章構成で展覧する。第1章は、 国芳とその門下の歌川芳員、落合芳幾、歌川芳虎ら幕末明治の絵師たち。第2章は、月岡芳年、河鍋暁斎、水野年方ら近代日本画の系譜に連なる作家たち。第3章は、横浜浮世絵や、油彩による洋風の表現に挑んだ五姓田芳柳とその一派。そして第4章では、清方門下、寺島紫明、伊東深水の「郷土会」や新版画運動に参加した川瀬巴水、笠松紫浪らを紹介。総勢約50名、約250 点という大規模なスケールで、江戸末期から昭和初期まで約100年にわたる日本絵画の流れを一挙に辿っていく。

 

 

 

【会期】 2012年11月3日(土・祝)~2013年1月14日(月・祝)

※展示替えあり

前期:11月3日(土・祝)~12月5日(水) / 後期:12月7日(金)~2013年1月14日(月・祝)

【会場】 横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1)

☎045‐221‐0300

【休館】 木曜日 、12 月29 日(土)~ 1 月3 日(木)

【開館時間】 10:00~18:00 (入館は閉館の30分前まで)

【料金】 一般1200円 大高生800円 中学生400円 小学生以下無料

※11月3日は横浜美術館の開館と企画展100 本目到達を記念して、当日に限り展覧会を無料公開。

【関連リンク】 横浜美術館

 

 

<記念レクチャー>

①「絵描きたちの職人魂―国芳から芳年、暁斎、清方へ」

【講師】山下裕二氏(美術史家、明治学院大学教授)

【日時】11月18日(日) 14:00~15:30(開場 13:30)

②「僕はこう見る―ヨコオ流 絵の見方」

【講師】横尾忠則氏(美術家)

【日時】12月22日(土) 14:00~15:30(開場 13:30)

【会場】①②横浜美術館レクチャーホール (定員240名、先着順、聴講無料)

 

 


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