【日本橋三越本店】 絹谷幸太展 創知彫刻

2016年06月28日 13:02 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

 

彫刻家・絹谷幸太(1973年東京都生まれ、東京藝術大学大学院博士後期課程修了)の、日本橋三越本店では5度目となる個展が開催される。

 

「創知彫刻」は、鑑賞を主とする一般的な彫刻とは異なり「手で触れたり、軽く叩いて音を聞いたり、匂いを嗅いだり、五感のすべてを使って素材と対話できる彫刻」で、2014年の名古屋大学博物館での発表以来、絹谷が取り組んできたシリーズ。「創知」という言葉には「作品を通じて創造と知恵を授かるように」という想いが込められている。

 

出品作の中でも一際目を引く《理性の輝き》は、日本やブラジル、中国、インド、フランスなど世界の各地域から産出された9つの石を重ねあわせ、自然の摂理と現代社会を相対させた作品。また、深い青色が美しい《盟誓》では、5億年前に誕生した青色花崗岩を用いて固い誓いを意味する《盟》の字を造形的に表した。「パンゲア超大陸の分裂は2億年前に始まり、地殻変動による亀裂が岩石にもたらされました。その亀裂に地下水が染み渡り時間を懸けて傷を修復させた痕跡が、作品表面の白と緑の模様となっています。現代の混迷する社会において、一度切れた関係、拗れた問題を建設的に直す事の出きる自然の姿に、私たちが学ぶことは多いのではないでしょうか」。

 

出品は大作を中心とした14点。ひとつひとつの作品に作家の想いが込められている。「遥かな時を経て生成された鉱石には、地球の記憶がとどめられている。いわば“真実”の結晶です。私はそこに、人々をつなぐ答えがあるのではないかと考えています」。かつて人類がそうであったように、五感を通じて自然に触れることで見えてくるものがある。創知彫刻は、私たちが失いつつある「自然へのセンサー」を蘇らせる装置とも言えるだろう。確固とした哲学のもとに素材を探究し、壮大な世界観を表す絹谷の新作に大きな期待を寄せたい。

 

 

 

【会期】2016年7月6日(水)~12日(火)

【会場】日本橋三越本店 本館6階美術特選画廊(東京都中央区日本橋室町1-4-1)

【TEL】03-3241-3311

【営業時間】10:30~19:30(最終日は17:00まで)

 

【関連リンク】三越の美術

 


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