【東京】 境界域 / 池田良二新作銅版画展

2013年11月15日 15:13 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

境界域:池田良二/ウォルター・ジュール

池田良二新作銅版画展“In the Ocean Fog・海霧の中で”

 

池田良二「Deposition of memories 記憶の沈殿」1988年 69.9×58cm (「境界域」出品)

池田良二「Deposition of memories 記憶の沈澱」1988年 69.9×58cm (「境界域」出品)

ウォルター・ジュール「Turning the Wheel」2011年 67×58cm (「境界域」出品)

ウォルター・ジュール「Turning the Wheel」2011年 67×58cm (「境界域」出品)

 

鋭敏な問題意識とともに銅版画へ取組み、詩的にして厳格な構図の作風などから知られる版画家・池田良二(1947年北海道生まれ、武蔵野美術大学教授)。待望の個展を含む、ふたつの展覧会が都内で開かれている。

 

東京・赤坂のカナダ大使館高円宮記念ギャラリーでは、長年交流するウォルター・ジュール(カナダ・アルバータ大学名誉教授)との2人展が開催中。フォトエッチング、東洋哲学への深い省察や作品の豊かなイメージなど、両作家に通じる点は多い。出品はともに88年以降のものとなり、池田は郷里である北海道・根室の旧落石無線局跡(現・池田良二スタジオ)が主題のものなど、その後の主軸となる四半世紀にわたる作品群の展示。静謐な気配の会場では、池田の手による瀬戸黒、志野の茶碗とも出会うことが叶う。(協力・アルバータ大学、アルバータ州政府、アルバータ芸術財団、後援・外務省)。

 

池田良二「秘やかな境界―落石」2013年 70×58cm (「池田良二新作銅版画展」出品)

池田良二「秘やかな境界―落石」2013年 70×58cm (「池田良二新作銅版画展」出品)

同時期に、南天子画廊での9回目の個展も開かれている。新作18作品には、海霧の気配も濃厚な落石の岬や海が現れる。空と大地と海、それぞれの境界は霧に包まれ曖昧な姿となり、神話的な奥行きも思わせるだろう。

 

日常と遠く離れ、深い思索へと誘われる貴重な機会となる。

 

 

境界域:池田良二/ウォルター・ジュール

【会期】 2013年11月7日(木)~2014年1月8日(水)

【会場】 カナダ大使館高円宮記念ギャラリー(東京都港区赤坂7-3-38)☎03-5412―6257

【休廊】 土・日曜、12月25日(水)、31日(火)、1月1日(水)

【開廊時間】 10:00~17:30(水曜のみ20:00まで)

【料金】 無料

【関連リンク】 カナダ大使館高円宮記念ギャラリー

 

池田良二新作銅版画展 “In the Ocean Fog・海霧の中で”

【会期】 2013年11月18日(月)~12月14日(土)

【会場】 南天子画廊(東京都中央区京橋3-6-5)☎03-3563-3511

【休廊】 日曜、祝日 【開廊時間】 10:30~18:30

【料金】 無料

 

「新美術新聞」2013年11月21日号(第1329号)1面より

 

 


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