【姫路】 エミール・クラウスとベルギーの印象派

2013年04月18日 18:39 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

ベルギーの印象派でベルギーを満喫

 

山田真規子(姫路市立美術館学芸員)

 

姫路市立美術館は、国宝・世界遺産に指定されている姫路城に隣接するレンガ造りの建物。国の登録有形文化財に指定されているこの洋風の瀟洒な建物は、約100年前に陸軍の倉庫として建てられ、戦後は市役所の庁舎として用いられた。美術館として第三の人生をスタートさせたのは今からちょうど30年前のことだ。
姫路市は、ベルギーのシャルルロア市と姉妹都市提携を結んでいる。その友好のあかしに、姫路市では開館当初よりベルギーの近代美術の作品を収集してきた。現在ではベルギー関係の作品は350点以上を数え、ベルギーを除けば世界有数の規模となっている。

 

エミール・クラウス 「晴れた日」 1899年 92.7×73.5cm ゲント美術館(フランダースコミュニティーからの長期貸与) Photo: Michel Burez

べルギー近代美術といえば、クノップフなどの象徴派、マグリットやデルヴォーといったシュルレアリスムの作品が、当館でも人気だ。しかし、ベルギー美術は象徴派やシュルレアリスムだけではない。日本でも人気の印象派は、発祥の地フランスだけでなく、その隣国のベルギーにも大きな影響を与えた。しかし、ベルギーの印象派は、フランスの印象派とはまた異なる独自の発展を遂げる。その中心となったのが、ルミニスム(光輝主義)を掲げる「生と光」というグループを主導したエミール・クラウス。今回の展覧会では、このクラウスを中心に、彼のもとに集まったベルギーの印象派、そのルーツであるモネやピサロなどのフランスの印象派、そしてクラウスに学んだ二人の日本人画家、太田喜二郎と児島虎次郎の日本の印象派の、三つの国の印象派の作品を紹介している。これまであまり注目されることのなかったベルギーの印象派の光まばゆい世界を、お楽しみいただける。

 

 

ホットコーヒー(ワッフル付き)¥400

展覧会を観終った後には、ぜひ館内のミュージアム・カフェで、一杯ずつサイフォンで入れるコーヒーをご賞味いただきたい。コーヒーのおともにはミニ・ワッフルがおすすめ。お天気が良ければ、国内外の作家による彫刻が楽しめる美術館前の庭園散歩も気持ちいい。

 

 

 

 

 

 

児島虎次郎 「和服を着たベルギーの少女」 1911年 116×89㎝ 大原美術館蔵

エミール・クラウスとベルギーの印象派

【会期】 2013年4月20日(土)~5月26日(日)

【会場】 姫路市立美術館(兵庫県姫路市本末68-25)

☎079-222-2288

【開場時間】 10:00~17:00(入場は閉館30分前まで)

【休館】 月曜(祝休日のとき開館)、5月7日(火)

【料金】 一般1000円 高大生600円 小中学生200円

<講演会> 4月20日(土) 14:00~

「ヨーロッパのポスト印象主義者、エミール・クラウスの芸術」

講師:ヨハン・ド・スメット(ゲント美術館 ヨーロッパ絵画専門学芸員)

※先着100名、入場無料、逐次通訳あり

<学芸員による解説会>  4月27日(土) 14:00~ ※先着100名、入場無料

 

【関連リンク】 姫路市立美術館 ※交通はこちら

 

【巡回】

2013年6月8日(土)~7月15日(月・祝) 東京ステーションギャラリー

2013年7月26日(金)~8月25日(日) 石川県立美術館

2013年9月14日(土)~10月20日(日) 碧南市藤井達吉現代美術館


関連記事

その他の記事