[画材考] 洋画家:長谷川晶子「アウトプット/インプット」

2021年06月04日 10:00 カテゴリ:コラム

 

手放せない相棒となったOLブラシ

手放せない相棒となったOLブラシ

 

「とても便利な筆ですよ。広い色面を綺麗に塗ることが出来る。長谷川さんなんか、重宝するのではないですか?」

 

絵描き仲間に名村のOLブラシという極太の筆を紹介された。画材屋に行くとよく見かける筆で、どういう時に使うものなのか分からず、一度も使ったことがなかったが、以来、なければ描けないほどの必須アイテムとなった。

 

12月に横浜のギャラリーアークで開催されるアニマート展に毎年参加している。小品のグループ展であるが、運営は会員(出品者)の自主性を大切にしてもらっている画廊企画としては珍しい展覧会である。仲間に見せる、とっておきの作品。しがらみに囚われず、他で出すよりまずここで発表してみる実験的な作品。「プライベート展」というコンセプトではじまって、今年で24回目になる。

 

年に2度の会員の集まりでは、展示の仕方などアイディアを出しあう。年齢も作品のジャンルも経歴も様々で、中には、思わぬ知識や経験をもった作り手もいる。数年前から展示だけでなく、会員向けにワークショップもやっていて、キャンバスの貼り方、版画、動画編集など、筆自慢なんていうのもあった。くだんの筆もここで出会った。おしゃべりしながら、時には呑みながら、楽しく、いい大人たちが真剣に、同じ空間と時間を共有しながらものを作る。情報交換でもあり、互いのものづくりのこだわりを知る機会にもなっている。刺激となり、次の制作へ繋がっていく。

 

左《花とレモン》40.9×31.8cm 右《光の方へ(ジヴェルニーの庭)》193.9×162.1cm

左《花とレモン》40.9×31.8cm
右《光の方へ(ジヴェルニーの庭)》193.9×162.1cm

 

 

 

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長谷川 晶子(はせがわ・あきこ)

《街に浮かぶ光》53.0×33.3cm

《街に浮かぶ光》53.0×33.3cm

1966年東京都生まれ、東京造形大学美術Ⅰ類卒業。90~92年イタリア留学。国際版画美術学校イルビゾンテ銅版画2年コース終了。個展・グループ展など発表、受賞多数。現在白日会会員。
12月9日~ 18日ギャラリーアーク「第24回アニマート展」出品予定。

 

【関連リンク】長谷川晶子 Instagram

 


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